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メモリーカード
デジタルカメラ - Wikipedia

デジタルカメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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デジタルカメラDigital camera )とは、撮像素子で撮影した画像デジタルデータとして記録するカメラである。

一般に「デジタルカメラ」といえば静止画を撮影する「デジタルスチルカメラ」を指し、動画を撮影する「デジタルビデオカメラ」は含めない。現在では静止画撮影が可能なデジタルビデオカメラや、動画撮影が可能なデジタルスチルカメラが一般的になっており、双方の性能の向上もあってその境界線が徐々になくなりつつあるが、デジタルカメラはその中でも静止画の撮影に重点を置いたモデルを指す言葉となっている。

通常「デジカメ」と略称されるが、「デジカメ」は、日本国内では三洋電機株式会社や、他業種各社の登録商標である(2010年4月現在)[1]三洋は「『デジカメ』単体での使用は不問だが、『XXのデジカメ』(XXはメーカー名)のような記述は認めない」、と表明している要出典

目次

編集 分類

厳密な定義は存在しないが、実態としては概ね下記の通りである。分類が困難な機種もある。

編集 構造

編集 全体構造

デジタルカメラの構成は、従来のフィルムカメラ(銀塩カメラ)と同等の部分とそれ以外の部分に大別できる。フィルムカメラには外箱に相当するボディ、光を集め焦点を結ぶために必要なレンズ、光量を決定する絞り、決められた時間に限ってフィルムに光を当てるシャッター、撮影対象を確認するためのファインダーが必要である。デジタルカメラにおいてもレンズとボディは必要であり、これらは通常のカメラと大きく変わることはない。

フィルムカメラのシャッターは機械式のみであったが、デジタルカメラでは機械式と電子式(電子シャッター)の2種類がある。一般に一眼タイプでは機械式、コンパクトデジカメでは電子式を採用している。ファインダーは、ほとんど全てのデジカメに電子式ファインダー(EVF液晶ディスプレイ)が搭載されており、さらに一眼レフではフィルムカメラと同じく光学式レフレックスファインダーペンタプリズムなど)も合わせて搭載されている。極端な廉価品には透過式の光学ファインダーが使われる。

編集 光学設計

基本的な光学設計はフィルムカメラと大差はない。光学設計の基本として、同じ画角かつ同じF値のレンズを作る際、撮像素子が小さければ小さいほど短い焦点距離のレンズ(つまり小さいレンズ)で済む。

デジタルカメラの撮像素子は35mmフィルムに比べて一般に小さいため、レンズはよりコンパクトに設計可能である。とくにコンパクトデジカメの撮像素子は非常に小さいため、高倍率のズームレンズを小型のボディに搭載することが可能である。ただし、コンパクトデジカメは(一部の高級機を除いて)望遠側を重視した設計となっており、広角側は35mm程度(35mm判換算)である。これは、広角ズームに対する消費者の認知度が低く、宣伝効果が期待できないためと考えられる。

デジタルカメラのレンズでは、イメージセンサとレンズとの間で発生する光の反射が問題となる。そのため、レンズ設計ではこの点を考慮して設計する必要がある。

編集 撮像素子

フィルムの代わりに、CCDCMOSなどの撮像素子(光学センサ)を用いる。大きさは通常の35mm判よりも小さいものがほとんどである。コンパクトデジカメでは1/3インチから2/3インチが、一眼レフタイプではAPS-Cサイズが多く用いられる。一部の高級機種や業務用機種には35mmフルサイズ中判など、フィルムと同等サイズの撮像素子を搭載する製品もある。

一般に撮像素子が大きいほど色再現性、感度ノイズダイナミックレンジなどあらゆる点で有利である。とくに同じ時代に設計された撮像素子どうしの比較ではサイズによる画質の差は歴然としており、測定値にもはっきりと表れる。また、同じ画角・同じF値における被写界深度が浅くなるため、対象物だけにピントを合わせて背景から浮き上がらせる「ボケ」の効果が得られやすい。反面、撮像素子が大きいとボディが大型化し、高価になる。

なお、APS-Cサイズの一眼レフに35mm用のレンズを取り付けると望遠寄りに写る。逆に、35mmフルサイズの一眼レフにAPS-C専用のレンズを取り付けることはできない(いわゆるケラレが発生するため)。

2010年現在、コンパクトデジカメのほとんどは1/2.5インチ程度の非常に小さな撮像素子を使っているため、これによる画質の低下を補うために各社とも画像エンジンの改良に力を入れている(下記)。

また、コンパクトなボディに大きな撮像素子を搭載した機種がいくつかのメーカーから発売されている。フォーサーズ陣営のミラーレス一眼や、シグマのDPシリーズ、リコーGXRなどがそれにあたり、画質を重視しつつも携帯性を求める一部消費者の支持を集めている。

撮像素子は長年CCDが主流であり、画質に劣るとされるCMOSは一部の安価な機種に搭載されるのみであった。しかし近年になってCMOSの性能が著しく向上し、低消費電力や低価格といった本来持つ特徴と相まって、CMOS搭載機種が一眼レフや携帯電話を中心に増えている。

編集 内部処理

撮像素子から出力されたアナログデータはA/D変換された後、画像処理IC(画像エンジン)によって補間演算・色空間変換・ガンマ補正収差の補正、ノイズリダクション画像圧縮などの様々な処理を受け、パソコンなどによる利用が可能な画像形式(ExifまたはRAW)で記録メディアに保存される。

たとえ同じ撮像素子を使っていても、カメラのメーカーが異なっていれば画質の傾向も大きく違ってくる。このように、処理のアルゴリズムが画質を大きく左右するため、各社ともに様々な工夫をしている。このため、内部処理のチップに名前をつけてブランド化しているメーカーも少なくない。画像エンジンを参照。

かつてはこの処理に時間がかかるのがデジタルカメラの弱点のひとつであったが、近年は画像エンジンの高速化によってほぼ克服されている。

編集 Exif(JPEG)とRAW

画像データの記録形式は、一般的にJPEGの拡張規格であるExif形式が使用される。一眼レフや一部の高級コンパクト機では、Exifに加えてRAWの記録も可能である。

Exifフォーマットは、JPEGファイルにCIPAによって規定されたヘッダーを追加したものである。このヘッダーには、撮影時の機種、レンズ名、焦点距離、絞り、シャッタースピード、ISO感度、露出モード、撮影日時といったデータが含まれている。現在のほとんどのデジタルカメラおよびカメラ付き携帯電話はExifを使用しており、家庭用プリンターもExifデータを認識してそのまま印刷できるものが多い。

ExifはRGB各色8bitの階調しか持たないうえ非可逆圧縮を行うため、画質は多かれ少なかれ劣化する。また、一度劣化した画質を補正するのも困難である。ほとんどのデジタルカメラで、Exifの画質を選ぶことができるようになっている。圧縮率を下げれば画質は向上するが、ファイルサイズが大きくなり、メディアに記録できる枚数は少なくなる。

RAWフォーマットは撮像素子からのデータを最低限の処理のみでデジタル化して記録するものであり、一眼レフなどの高級機で可能である。階調や圧縮による画質の劣化が事実上無いため、プロやハイアマチュアは通常こちらを使う。RAWはメーカーごとに規格が異なっており、互換性は無いに等しい。また、RAWはそのままではパソコン上で見ることすらできず、専用のソフトウェアを使って表示したりExif(JPEG)などに変換する。この変換処理を「現像」といい、それに用いられるソフトウェアを「現像ソフト」などと呼ぶ。なお、RAWは一般にファイルサイズが非常に大きくなるため、連写速度が落ちたり、カメラが一定時間操作を受け付けなくなることもある。

編集 動画撮影

最近では、コンパクトデジタルカメラの大半が動画の撮影機能を備えており、一眼タイプにおいてすら一般的になりつつある。連続撮影時間は、記録メディアの容量、バッテリー容量、記録方式、設計方針などにより制限され、短いもので10分、長くて1時間程度である。

動画フォーマットについては機種ごとに様々である。以前はAVIQuickTimeが主流であったが、最近ではAVCHDによるハイビジョン動画およびステレオ録音が可能な機種も増えており、デジタルビデオカメラ(=カムコーダー)との境界線があいまいになってきている。

編集 記録メディア

撮影された画像データの記録・保存には、主にフラッシュメモリを内蔵したメモリーカードが使われる。かつては民生用としてコンパクトフラッシュスマートメディアが、業務用としてPCカードタイプのハードディスクやマイクロドライブが利用されていたが、2010年現在ではいずれもSDメモリーカードが主流となっている。

記録に当たっては、CIPAによってファイル名などの規則であるDCFが規定されている。メモリーカードのルートディレクトリ上に作成される「DCIM」ディレクトリ、その下のサブディレクトリの命名法などがメーカー間で統一されているため、1枚のメモリーカードを異なるメーカーのデジタルカメラで使いまわしてもデータが混ざったり矛盾が生じることがないようになっている。また、他のカメラで撮影した画像を表示させることができる機種もある。

最近の家庭用プリンターはメモリーカードスロットを装備しているものが多い。それらの機種では、メモリーカードをプリンターに挿入するだけでディレクトリ構造やExifデータを認識し、パソコンを介さずに印刷を行うことが可能である。

フラッシュメモリーは不要な画像をいつでも消去できるうえ、大容量化・低価格化によって近年では数千-数万枚もの画像を保持できるようになった。それにしたがい、撮影形態もフィルムカメラ時代から大きく変化してきている。一般人でも「大量に撮影してその中から写りの良いものを選び出す」ことでプロ並みの写真を撮れるチャンスが出てきた反面、「一写入魂」のような真剣な撮影意識が薄れ、カメラの持つ趣味性が低下したとの指摘もある。

かつてはメモリーカードが低速であったため書き込みに時間がかかり、高画素化でデータ量が膨らむにつれてさらに顕著になっていった。近年ではSDHCカードの登場など、記録メディアの高速化によって急速に改善されつつある。また、大容量のバッファメモリーを搭載することでフィルムカメラでは不可能な高速撮影を可能にしたモデルも増えてきている。

なお、メモリーカードが無いときでも撮影できるように内蔵メモリーが装備されている機種もあるが、あくまで緊急用であり記録枚数は限られる。

編集 記録メディアとデータの破損

記録メディア内のデータをパソコンへ読み込ませた際、画像ファイルが壊れていたり、記録自体されていなかったりするトラブルがまれに発生する。このような事態を防ぐためには、『データ記録中にカードを抜く』『データ記録中に電池を抜く』といった誤操作をしないこと、『データ記録中のデジタルカメラ本体への衝撃』を避ける、『メモリカードスロット用クリーナーカード等を用いて定期的に手入れをする』などのいくつかの注意が必要になる。

また、誤操作で画像データを削除してしまった場合でも、データ復旧用アプリケーションを用いるか、専門業者のデータ復旧サービスを利用することで一部または全てのデータを取り戻せることがある。その際、復旧作業が終わるまではその記録メディアに一切の書き込みをしないことが重要である。書き込みをしてしまうと復旧の可能性が極端に低下する。

編集 電源

1990年代、フィルムカメラに対してデジタルカメラの持つ最大の弱点は、消費電力が大きく電池の電力消耗が激しいことであった。特にバックライトを持つ液晶ディスプレイ消費電力が大きく、ディスプレイをOFFにすることで電池寿命を伸ばす、といった工夫がメーカーおよびユーザーによってされていた(初期のデジタルカメラはこの理由により、コンパクトデジカメでも光学ファインダを備えているのが普通であった)。その後、デジタルカメラ内部の電子回路の低電圧動作による低消費電力化、アルカリ電池の性能向上、リチウム一次電池の普及、さらには高電圧を安定供給できるリチウムイオン二次電池の積極的な採用によって、2006年頃には電池寿命はほぼ問題にならなくなった。2010年現在、コスト高であり小型化の制約にもなっていた光学ファインダーは大半のコンパクトカメラで省略されている。デジタルカメラの電池寿命は撮影可能枚数としてカタログなどに表記されるが、メーカー間で条件を統一するため、CIPAによって実使用状況をシミュレートした測定シーケンスが策定されている。

編集 電子式ファインダー

フィルムカメラのファインダーは(いくつかの方式があるものの)全て光学式であった。デジタルカメラの場合も同様の構造が可能であるが、せっかく撮像素子で画像データを捉えているのだから、それをディスプレイに表示することでファインダーとして使用するのが効率的である。このような観点から、現在ではほとんど全てのデジタルカメラが液晶による電子式ファインダーを備えている。電子式ファインダーは光学式に比べて設計上の自由度が高く、様々な特徴を備えたファインダーが登場している。

もっとも極端なものは1997年2月に発売されたミノルタDimage Vであろう。レンズ部分がカメラ本体から着脱可能で、互いにケーブルで繋ぐというものである。また、カメラ本体とレンズ部分が関節のようにつながり、互いに回転する「スイバル」機構を搭載したカメラ(ニコンCOOLPIX 900シリーズなど)も発売された。これらは一部のユーザーには好評であったが、いずれも従来のカメラと大きく姿を異にし、扱いづらかったためか次第に姿を消した。

通常の背面液晶式カメラのデザインそのままに、液晶部分を可動としたのがいわゆるバリアングル液晶である。これにより、ローアングル(低い位置からの撮影)やハイアングル(高い位置からの撮影)など、従来困難の伴ったアングルからの撮影が容易になった。主流にこそならなかったが、高級機コンパクトデジカメや一眼レフの一部機種に採用されている。

編集 他のデバイスとの連携

パソコンへの画像データの転送については、記録したメモリーカードによる方法の他、多くの機種ではUSB接続による方法もサポートしている。この場合、付属ソフトウェアやWindows等のOSの機能を用いてデジタルカメラから画像データを転送するもの(PTP等)と、カメラを外部記憶装置(マスストレージ)のように見せて自由に画像ファイルの出し入れが可能なものがある。USB普及以前は、シリアルインターフェイスSCSIを使用する物もあった。またUSBがまだ十分な転送速度を持っていない頃には、プロ向けの機種の中にはIEEE 1394を採用する物もあった。さらに近年は無線LANを使用する物も登場しているが、メーカーによりまちまちの実装である。

2003年頃からは、デジタルカメラ本体と対応プリンターをUSBケーブルで直接接続して印刷できる「PictBridge」などの規格も制定された。→#印刷についてを参照。

編集 メーカー

フィルムカメラに較べると電子機器的な要素を多く含むため、旧来のカメラメーカーに加えて、ソニーパナソニック三洋電機カシオ計算機などの家電・電子機器メーカーも参加して激しいシェア争いを繰り広げている。

競争の激化に伴い、2005年京セラが日本国内のデジタルカメラ事業から撤退。2006年にはコニカミノルタがカメラ事業全般から撤退し、一眼レフカメラ部門をソニーに譲渡した。また、イーストマン・コダックも消費者向けデジタルカメラの生産から撤退し、デジタルカメラ製造部門をフレクストロニクス・インターナショナルに売却している(開発・設計・販売は継続)。

2009年のデジタルカメラの出荷台数は、日本向けが約974万8000万台(前年比12%減)[2]、日本向け以外が1億590万台とされている[3](カメラ映像機器工業会調べ)。2009年の国内販売シェアは、コンパクトデジタルカメラについてはキヤノン19.6%、カシオ18.6%、パナソニック14.6%、ソニー 10.9%、オリンパス10.1%、フジ9.2%、ニコン7.5%、一眼タイプについてはキヤノン39.1%、ニコン31.3%、パナソニック8.7%となっている[4]

家電メーカーの場合、光学系の設計ノウハウが乏しいため、他のレンズメーカーからレンズなど光学系部品の供給を受ける場合が少なくない[5]。さらに、光学機器メーカーに比べて劣る業界知名度を補うため、「ライカ」や「カール・ツァイス」といった有名ブランドを冠したレンズを採用することもある[6]。しかしながらメーカーに拠ってはOEMとしてレンズの供給を受けるのではなく、同ブランド名を冠するレンズを自社内やレンズメーカーでライセンス生産している場合もある。

逆に光学機器メーカーが、画像エンジンなどの開発の手間を省くため、家電メーカーにOEM委託をしていることも多い。OEM委託先としては三洋電機や台湾のメーカーなどがある。したがって、上に書いたメーカー別販売シェアと、実際の製造メーカー(OEM製造も含む)におけるシェアとは大きく異なる。

従来、デジタル一眼レフカメラは技術的な困難さと、交換レンズを始めとするオプション類も販売する必要があるため、過去の蓄積がある光学機器メーカー以外には出しにくい状況にあった。しかし現在では、撤退したコニカミノルタの一眼レフカメラ部門を引き継いだソニーや、オリンパスと協業しフォーサーズ・システムへ参入したパナソニック、ペンタックスとの提携を発表しOEM製品を販売しているサムスン電子など、家電メーカーの参入も本格化している。

また上記のメーカー以外にもセイコーエプソンR-D1など)や、ライカなどがレンジファインダー式デジタルカメラの製造を行っている。

編集 販売動向

編集 トイデジカメ

機能や画質を割り切ることで低価格を実現する「トイデジカメ」と呼ばれる分野が存在する。玩具の流通ルートで売られていることが多い。

同ジャンルの初期に流通したトイデジカメの例としてタカラSTICK SHOTニチメンのChe-ez!等があり、デジタルカメラが高価だった頃、小型軽量で1万円以下で買える手軽さが受けてガジェット好きのユーザーに広まった。

初期の大半の製品が10万画素~35万画素CMOSを搭載し、1MB程度の少ない記録メモリーを増設できない形で搭載、パソコンと通信することはできてもカメラ外観から直接記録した画像を確認できるようなデバイスは存在しない。画質はおしなべて低く、色の再現性が悪い。一方、これらの中にはWebカメラとして実用に耐えるものもあり、そのためにトイデジカメを購入するパソコンユーザーもいた。

近年はデジタルカメラ自体の低価格化が顕著化している上、トイデジカメの高機能化が進み、必ずしも従来のトイデジカメのような目的は達成していない。このような状況から、現在では「トイデジカメ」という概念そのものが変わり、「楽しく撮る」「ガジェット/アクセサリーとして楽しむ」等の方向に向かっている。また、諸般の事情を無視して単に低画質な製品を「トイ」扱いしている場合もある。

現在では日本の一流メーカーのデジカメが実売で8000円を切るまでに低価格化しているうえ、トイデジカメの高機能化が進み、それらを区別する意味もなくなってきている。このような状況から、現在では「トイデジカメ」という概念が「安い」から「アクセサリーとして楽しむ」等の方向に変わっている。例としてボールペンや腕時計にカモフラージュした製品、フィルム時代の高級カメラをミニチュア化した製品などが一定の人気を保っている。

2010年春現在で販売が継続しているトイデジカメは、その定義を「小型軽量低価格で、手軽ではあるが低性能」とする場合、当てはまるのはVista Questシリーズと、同シリーズのうち1005ベースとなる「NICO DIGI」(ニコデジ)程度である。

機能や価格帯は考えず遊びの要素が強い製品として、プラスティックむき出しの質感や忠実とは言えない癖のある撮影画像など、同ジャンルの基本を強く意識し、楽しく撮る事を目標とした「DIGITAL HARINEZUMI」(デジタルハリネズミ)シリーズ、簡易防水機能付きとしては安価な部類で、わざと撮影画像のカラーバランスを崩した撮影ができる「GIZMON Rainbowfish」(ギズモン レインボーフィッシュ)、ローライの本格的二眼レフカメラ、ローライレフレックスの外観を忠実に模して小型化した「ローライレフレックスミニデジ」(Rolleiflex MiniDigi )シリーズなどがある。

編集 一般的デジタルカメラ

日本国内におけるデジタルカメラ1台あたりの平均販売価格はコンデジが約20,200円、一眼タイプが約85,400円である(2009年12月度、BCN調べ)。

売れ筋のキーワードは2003年頃までは画素数など、2004年には動画撮影性能や多彩なシーンモードなど、2005年には大型液晶・高感度・手ブレ補正などであった。2006年は一眼レフに「ライブビュー」が搭載されるようになり、急激な低価格化と相まって一眼レフの一般への浸透が進んだ。2007年には顔認識が登場し、人の顔が綺麗に撮れる、笑顔になるとシャッターが切れる機能などが流行した。2008年は暗所撮影や防水機能など「場所を問わず綺麗に撮れる」性能や、より広い角度を写せる「広角ズーム」が売りとなった。

2009年は明暗差の激しいシーンでも白飛びや黒つぶれが発生しにくい「ダイナミックレンジ拡張機能」、そして一度ロックした被写体にピントや露出を合わせ続ける「自動追尾機能」などが登場した。また、リコーGRデジタルIIIやキヤノンパワーショットG11など、あえて操作を自動化せず画質と高級感を優先させた高級コンパクトカメラが独自の地位を築いた。家庭にハイビジョンTVが普及した事もあり、ハイビジョン画質の動画機能が装備されたカメラが普及し始めた。また、2008年末にフォーサーズ陣営から登場したミラーレス一眼が2009年5月以降急激に売り上げを伸ばしている。2010年にはAPS-Cサイズのミラーレス一眼が登場し、将来的には一眼市場の主流になる可能性も指摘されている。

過去のデジタルカメラ市場はほとんど日本企業のブランドで占められており、海外勢はコダックや一部のスタジオ用中判機種に限られていた。最近2003~2004年にはおよそ80%であったが、日本メーカーが積極的に行っている生産設備の中国移管からくる技術移転や韓国メーカーの高級機参入に加え、アメリカやドイツの歴史あるブランド名を復活させた製品も出始め、今後も日本が高いシェアを維持できるかどうかは予断を許さない。

編集 出力/印刷

編集 店舗での出力

2000年頃から大手カメラ店のDPEコーナーなどでデジタルデータから印画紙に焼き付けるサービスが行われている。これは、デジタル処理のミニラボシステムを利用したもので、フィルムスキャナによる入力の代わりにデジタルカメラなどで得られたデジタルデータ(Exifなど)を印画紙に焼き付るものであり、従来の写真と同程度の画質や耐久性が期待できる。

また、店頭にキオスク端末型のプリント機を設置し、画面の案内に従ってセルフサービスで出力できるサービスも行われている。このタイプは昇華型熱転写プリンターを使用しており、画質面で若干見劣りする可能性がある。

そのほか、コンビニなどで、デジタルコピー機の機能を利用したセルフサービスで写真印刷を行なう機械も設置されている。そのような機械では、単に印画紙への出力だけではなく、シール印刷機能のような付加価値を持たせている物もある。しかし、これらも昇華型やインクジェット方式で印刷するため、印画紙での出力に比べて画質や耐久性に劣り、長期間の保管には向かないとされる。

また、CD-Rを持っていないユーザーのために、画像データをCD-Rに焼くサービスもある。

編集 インターネット経由での出力

出力したい画像ファイルをインターネット上の指定サイトにアップロードし、出来上がったプリントを店頭や郵送で受け取るサービスがある。一般に印画紙に出力されるので、ミニラボ機を使ったものと同等の品質が期待できる。また、写真集のような形に簡易製本して渡すサービスもある。

編集 家庭での印刷

個人がプリンターで印刷する方法においても、プリンター本体や用紙の改良による画質の向上が著しい。とくに耐水性、耐光性、耐ガス性に優れたインクの開発で各社が競い合っている。また、2003年頃から、PictBridge(カメラ機器工業会)、USB DIRECT-PRINT(セイコーエプソン)、DIRECT PRINT(キヤノン)、BUBBLE JET DIRECT (キヤノン)など、デジカメとプリンターを直接接続する通信規格が登場している。これに基づいて製造されたデジカメとプリンターを接続することで、パソコンを介さずに、直接印刷することが可能である。

写真印刷に特化したプリンターも登場している。メモリーカードを差し込むと液晶画面に撮影画像が表示され、あとは印刷したい画像を選べばボタン一つでL版写真が出力される手軽な操作性で人気が高い。

さらに、富士フイルムの「Pivi」やポラロイド「PoGo」など、外出先でもプリントできる電池駆動式の超小型プリンターもある。

編集 テレビでの鑑賞

ハイビジョンテレビとの接続用としてカメラ本体にHDMI端子が装備されたり、TVやレコーダー側にSDカードスロットを備えた製品も増え、リビングの大型テレビで鑑賞する使い方も提案されている。

編集 写真の公開・共有

カメラ本体の機能ではないが、無料で利用できるオンラインアルバム(FlickrPicasa等)や動画共有サービスYouTube等)が増えており、それらを通じて仲間と写真を共有したり、不特定多数に向けて写真を公開することが一般的になりつつある。無線LANを内蔵することでそれらのサイトに直接データを送信できるデジカメも登場している。

編集 歴史

1975年12月、イーストマン・コダックの開発担当者Steve Sassonが世界初のデジタルカメラを発明する。画像サイズは100×100の10000ピクセルで、撮影した映像をテレビに映す事もできた[7]

 静止画をデジタルで記録するいわゆる「デジタルカメラ」の前に、アナログ記録を行う「電子スチルビデオカメラ」という製品群が存在した。これは、ソニーが1981年に試作し後に製品化した「マビカ」を代表とするアナログFM記録する電子カメラで、初の販売製品としてはキヤノンのRC-701(1986年発売)があり、この時に2インチのビデオフロッピーディスクを記録媒体として記録する共通規格SV規格が正式に決められた。このSV規格方式を中心に、1990年代初頭に至るまでいくつかのメーカーから発売されたアナログ電子式記録カメラを、現在と同じ「デジタルカメラ」ではなく「電子スチルカメラ」と呼ぶのは、両製品の混同を避けるためである。

 画像をデジタル方式で記録する初めての一般向けカメラは1988年に富士写真フイルムから発売された「FUJIX DS-1P」であり、当時のノートパソコンでも使っていたSRAM-ICカードに画像を記録していた。電源が無くても記録保持が出来るフラッシュメモリを初採用したのは1993年富士写真フイルムから発売された「FUJIX DS-200F」である。1994年発表1995年3月発売のカシオ計算機初のデジタルカメラ「QV-10」では、外部記録装置無しで96枚撮影が出来、当時のWindosw95ブームで一般家庭に普及し始めたパソコンに別売キットを使って画像を取り込む事が出来る上、本体定価65,000円を実現して好評となり、これを境にデジタルカメラの存在と利便性が一般に認知された。

 この製品はカシオが以前に電子スチルビデオカメラVS-101(1987年6月)を発売したものの、同じ頃競合製品として同価格帯(10万円程度)で8ミリビデオカメラが登場したため売れ残り、これに苦慮し再開発を行った結果とも言える。QV-10の成功を皮切りに多くの電機企業が一般消費者向けデジタルカメラの開発・製造に乗り出し始めた。QV-10発売の二ヶ月後にリコーから発売されたDC-1には動画記録機能があり、その記録方法としてJPEGの連続画像(後にMotion JPEGと呼ばれる方式)を初採用、これがカメラが動画機能を持つ初めての例となった。

 この頃の製品はまだ画質も電池寿命もそれほど良くなく、存在が認知されたとは言え購入層もその使われ方も限定的で、性能もしばらくフィルムカメラを追い越す事はないと思われていたが、1997年末頃から始まった高画素数化競争や小型化競争など、市場拡大を伴った熾烈な競争により性能は大幅に上昇、価格も下がり利便性も受けて、2005年頃にはフィルムカメラとデジタルカメラの販売台数が完全に逆転、フィルムカメラからデジタルカメラへの置き換えはほぼ確実なものになった。

 2000年頃から国内の光学機器メーカーだけでなく、電気機器メーカーが一般向けデジタルカメラ事業に続々参入し、さらには台湾中国韓国等のメーカーが加わってきた。さらにはカメラ付携帯電話の高機能化も加わって、店頭では激しい販売合戦が展開されている。

 報道関係やプロカメラマンの間でもデジタルカメラは急速に普及している。初期には高画質でも大型で可搬性のないものであったり、専用のレンズ群が必要で価格も数百万円になるなど、一部の大手報道機関などが少数保持しているだけの特別なカメラであったが、1999年ニコンが既存の同社一眼レフ用レンズを使えるデジタルカメラ「D-1」を定価65万円で発売後、各社完成度も高い低価格デジタル一眼レフを相次いで投入、以後、速報性が重視される場面を中心に広まり、2000年のシドニーオリンピックなどを契機として報道各社を中心にデジタルカメラの導入は急激に進んだ。撮影データをWeb回線を使い一瞬で遠隔地に送る事が出来、フィルム現像にかかる費用が無くコスト的にも優れたデジタル一眼レフは、現在ではフィルムカメラを駆逐し報道カメラの中心的な存在となり、現在では高性能化とデータ編集の容易さが支持されて、質感や仕上がり等を重視する商用写真や美術写真にまで活用範囲が広まっている。

編集 関連項目

編集 ファイル規格

編集 イメージセンサー

編集 記録媒体

編集 脚注

ヘルプ
  1. ^ 特許庁電子図書館「商標出願・登録情報」より、登録2122636号。
  2. ^ 日本経済新聞 2010年3月7日付 朝刊
  3. ^ DigitalCameraReview.com 2010年2月1日
  4. ^ 2010年1月14日 BCN調べ
  5. ^ 実例ではキヤノンやペンタックスのレンズを組み込んだカシオ製品などの例がある
  6. ^ パナソニック、ソニーなど
  7. ^ PluggedIn - We Had No Idea
    30年以上前に登場した世界初のデジタルカメラ - GIGAZINE

編集 外部リンク